下半身機能不全、車いす仕様のパンツスーツ。 東京のM様

「車いす仕様のパンツスーツを創っいただけますか?」とお電話をいただきました。
「はい、創らせていただきます。」「どちらへお伺いさせていただければよろしいのでしょうか?」

「東京です」
都庁.jpg 「えっ!東京・・・・・」「お伺いさせていただきます。しかし、新幹線往復実費をお願いできませんか?」

「はい!身体に合ったパンツスーツをぜひ創っていただきたいと思っていますので、交通費は負担させていただきます」

「承知いたしました、ご希望の日時に、ご指定に場所へお伺いさせていただきますのでよろしくお願いいたします。」

あくる日に、最近の若い女性が着ているようなパンツスーツに見合った生地や見本とスタイルブックを、トランク一杯(スーツ地とパンチ見本3~4冊)に詰めて東京新宿へ向かいました。

昇進した記念に、身体に合ったパンツスーツを創りたい。

生地選び250.png

 

 

持参した生地見本の中から、お気に入りを手に取って、デザインも決められました。
上着はテーラーカラー、1つボタン、胸ポケット付き、袖口は本開き、総ステッチ。
パンツの裾はダブル(カブラ、マッキン)

デザインで個性を出し、裏地、釦も多くの見本の中から選ばれました。
P4130029.jpg

学生の頃、バスケット部に所属されていたとかで、体格がたいへんよろしく、ほとんど紳士服と同じくらい要尺が必要でした。

座面に滑り止めのパットを敷いているため、パンツが摺り上るのでパンツ丈を長くしました。

ご自分で車椅子を操作されますので、腕周り、アームホールを大きく、背幅を広く、屈伸体補正を大に、そして袖口を本開きにして、車輪に袖口が引っかからないようにしました。

2_0001.jpg

車いすユーザーのスーツ

一般的なスーツは、立居で着用することを前提に採寸、仮縫いそして仕上げていきます。
そのスーツを着て座ると、胸元が大きく開き、Vゾーンが浮き上がり、抜き衣紋状態になります。

 

車いすユーザーのスーツの場合、
寝た状態と座った状態の同じ個所を各々採寸します。
そして、行動範囲をお聞きして、マニプレーションを施した製図をします。

基本的に、上着丈は車いすの座面までの長さに、胸幅を少なく、Vゾーンも小さく、いかり肩風に、肩幅、背幅にゆとりを付け、襟が被るようにして「抜き衣紋状態を解消させます。」


 

レディスのパンツスーツ

レディスジャケット仕様.jpgご希望のデザインを加味しながら、マニプレーションを重視して製図をしました。

1回目の仮縫い

胸開き.jpgぬき衣紋は解消しましたが、思っていた以上に肩が大きく、胸もとも余裕が多く、Vゾーンもブカブカした感じでした。

2回目の仮縫い

右島様仮縫い.jpgVゾーンを小さくするために釦を2個にしました。
胸幅を狭く、背筋線を屈曲してフロントを落ち着かせました。
車いすを操作する動きを考え、アームホールを大きくしたため少し袖が大きくなった感がありましたので、袖回りを細く補正しました。

右島2.jpg

落ち着いた雰囲気のパンツスーツです。

車いすを操作する時には袖のボタンを外して、腕まくりが出来るように袖口も本開きにしました。

 

パンツM.jpg車椅子の座面に滑り止めのマットを使用しているため、以前穿いておられたパンツは裾がずり上がってパンツ丈が短くなっていたのですが、車いす仕様のパンツを穿くことによって裾が上がってくることが無くなりました。

みんなと.jpg

結婚式に列席

新調のパンツスーツでお友達の結婚式に列席されました。

※美しいスーツを創っていただいてありがとうございます。
と、うれしいメッセージをいただきました

 

 


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