京都オーダーメイドスーツ　お誂え洋服たなか

2017年12月16日に長女の方からお便りを頂きました。

お伺いしました。

来年の2月17日までには、年末年始の問屋や職人の休みなど、日程が迫っていましたので、早速12月22日に長野県のご自宅までお伺いしました。

ご本人は、起き上がることはできませんがテレビをご覧になっておられました。

眼球の動きによって、奥様の通訳で生地選びや礼服のことなど、私や、ご家族との伝達コミュニケーションは取れていました。

花嫁の父として、バージンロードを歩く。

花嫁の父としての正装のモーニングコートのご依頼を頂きました。

採寸は、ほとんど寝た状態ですので、介助の方の手助けで左右横向け状態になっていただいたりして、全身を測りました。

仮縫いは、1月13日にお伺いしました。

ベッドに寝た状態での着せ付けです。

ストレッチャータイプ車いすをご使用ですので、その状態を考慮して行いました。

介助、ヘルパーの方が如何に着せ易くできるかを重点に相談しながら、オプションなど確認しました。

納品は、1月31日に宅急便にてご送付させていただきました。

お婿さんから、お喜びのお便りと写真を送っていただきました。

「2月17日に挙式、披露宴用にモーニングを仕立ていただきました、長野県の J K の娘の夫 S　です。

先日は、義父のモーニングを仕立てていただいてありがとうございました。

お陰様で義父も挙式、披露宴に正装で参加出来、私たち家族としても一生の思い出となりました。

挙式、披露宴の義父の写真を送らせて頂きます。」（原文のまま）

その後、奥様と年賀状の交換をさせていただき、この時期には本場長野の甘～いリンゴを送った頂いております。ケースを開けると部屋中にリンゴの甘酸っぱい香りが充満しています。

その時には、お身体の状態などもお知られ下さって、案んどしております。

来年は還暦

J 様が来年（2021年）11月に還暦を迎えられるようです。

奥様から、「その時にはお祝いとして、スーツを新調したいのでよろしくお願いします」とのお便りもリンゴと一緒にメッセージがありました。

私どもも、それまでに生地の手配や裏地かどこかに「赤」をと、考えながらご注文のお便りをお待ちしております。

障がい者、車いすユーザーのスーツ

私どもでは、いままで９０人余りの車いすユーザーのスーツや、J 様ほか、4人のALSの方の礼服を創って参りました。

お伺いしたALSの方のほとんどが、人工呼吸器を付けておられますが、眼球の動きによって意思の疎通は十分に行えています。

身体を動かすことは出来なくても、五感を働かせ、私どもにもそれなりのご意思をお伝えされておられました。お元気です。

一日も早く新薬、治療方法が開発され、難病指定がなくなることを祈ります。