フルハンドメイドオーダースーツならではの「仮縫い」 

洋の東西を問わずわが国でも、スーツ、ジャケットやコートなどを

テーラー(仕立て屋)に「フルハンドメイド」でご注文(オーダー)すると

必ず「仮縫いの着せ付け」が行われます。

そもそも「仮縫い」とは?

左右アンバランスな身体を、如何にきれいでスマートに、着心地良く、バランスのとれたスーツスタイルになっていただきたいとの願いから、仮縫いを行っています。

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「仮縫い」は、既製品(レディーメイド)は当然のことながら、巷でオーダースーツと言われている「パターンオーダー」や「イージーオーダー」にも無い工程です。

お客様(ユーザー)がお気に入りの生地を選んで、店員が採寸するところまでは、パターンオーダーやイージーオーダーそしてフルハンドメイドも同じです。
 

 

では、なぜフルハンドメイドのオーダーは仮縫い着せ付けをするのか?
それは、「人間の身体は左右対称ではない」からです。

例えば、顔の真ん中に鏡を立てて見ると、左半分と、右半分の顔とは、それぞれ別人の顔のように映っているのを見たことはありませんか。
顔ですら左右対称になっていないのに、身体全体では左右対称になっているわけがないのです。

それは、お仕事で永年、身体の一部に負担を掛けることを続けてきたり、アスリートなどのスポーツで肉体を酷使してきた場合など、そしてこれが一番大きい原因のひとつで、年齢を重ねて姿勢の変化により、身体がゆがんだり、左右、前後のバランスが崩れてきているのです。

左右対称に仕上がっている既製品は論外にして、ゲージ服によって左右のバランスをパットの厚さや胴回り、着丈、袖丈など少々の体型補正をするだけのイージーオーダー、パターンオーダーでは、身体の捻じれを解消して、身体に沿った着易い服を求めることは難しいのではないでしょうか。

鳩型メジャー(RGB)(noise_scale)(Level1)(width 250).jpg

フルハンドメイドでの採寸は、長尺メジャーや鳩型メジャーなどで約20か所を詳しく計測します。

基本は、その寸法で左右対称に製図裁断をいたします。
その型紙をもとに生地を裁断し、仕付け糸で「仮のスーツを創ります。」

その「仮に仕上がったスーツ」をお客様(ユーザー)に着せ付けることによって、体型による左右のバランス、前後の傾き、しわ、たるみ、そしてお好みのゆとり量などを確認することができます。

ハンドメイドならではの真骨頂の「仮縫いを行う」ということなのです。

仮縫い服

注文から納品まで300.jpgスーツの注文(オーダー)はまず、お好みの生地選びから始まります。
数ある着分の生地やパターン見本の中から、お好みの生地を選んでいただきます

その後、デザインやオプション、そのスーツの着用シーンなどをお聞きします。

採寸はベテランのテーラー(taiilor:男子服の仕立て屋)が長尺メジャーや鳩型メジャーなどで全身の20か所以上のサイズを採寸します。
その際、身体に触れながら、部分的なゆがみやバランス状態を確認しながら採寸しています。

オーナー裁断3.jpg

そのサイズを基に、確認したバランス状態の程度、着用シーンなどを考慮して、お客様ひとり一人のための製図、裁断を行います。

洋服地(スーツなど)は幅が150センチ前後ありますので、それを半分に折りたたんで、その上に型紙を置き、型紙どおりに羽原様仮縫い.jpgチャコで描いていくため、左右対称のパーツが出来上がるのです
左右対称のパーツを「仕付け糸」で縫い合わせて、1着のスーツを作り上げていきます。
これを「仮縫い服」と言います。

※時には、はっきりと左右または前後のバランスがずれていることが解っている場合は、製図裁断の段階で、その差をつけることがあります。

 

 

例えば、 鳩胸の方は、胸(フロント)が閊え、ラペルが浮き襟が後ろにツキしわが出るのを押さえ、前胸にゆとりとマニプレーションを施します。また、猫背の方は、ぬき襟になり、上着の裾が浮き上がるのを調整します。

ダンスを踊るときに、後ろからきれいに見えるように・・・

車椅子を使用している方には、座った状態で無駄なシワやツッパリを出来るだけ少なく、障がいの程度によっては着脱を容易にできるように創ります。

だから、身体に馴染んだ着心地良いきれいな服が出来るのです。


仮縫いの着せ付け

朝比奈氏仮縫い4.jpg左右対称に出来上ったスーツを、お客様(ユーザー)に着用していただきます。
ここからが、テーラーとして最大に神経を集中するところです。

まず、製図どおりのサイズで丈や周りが合っているかを確認。
ゆとりはお客様(ユーザー)のニーズに合っているかをお聞きします。

小さくする場合は、待ち針でピン内をし、窮屈な場合は、その箇所の糸をほどいて、その分大きくして縫い直します。

左右が異なった場合は、左右各々その分だけ、ピン打ちをしたり、解いたりして調整します。

猫背や鳩胸などの場合は、上着そのものをずらしたり、かぶせたりしてその差を測ります。

ゆがみや無駄なシワはピン打ちをして、きれいに見えるように調整します。

新谷氏仮袖.jpg

私どもでは、仮縫いの時、袖付け部分を外します。
これは、外した袖付け部分から手を中に入れるためです。

それは胸、肩、背とアームホールの状態を見、袖付け周りのゆとり、肩下がりの分量、胸周りと袖付けのコンビネーション、鎌深かの量など確認して、ユーザーのお好みに合った適切なゆとりなのかを確認して、より着心地の良い服創りをするためです。

スラックスも同じように、股上、股下寸法はもとより、出尻、平尻、蟹股、などヒップ周りのゆとり、しわ、ひきつれ、折り目線の位置などを確認しています。

ベストについては、胴回りのゆとり、上着を着てボタンを留めた時にベストのボタンの位置、またスラックスのベルトのバックルが出ないように、着丈を調整します。

新谷氏ズボン仮.jpg

補正

型紙1(RGB)(noise_scale)(Level1)(width 250).jpg

「テーラーとしての腕の見せどころです
仮縫い着せ付けを済ませてピン打ちしたスーツを、パーツごとに分解します。

ピン打ちした分量を測り、その分量そのままを、詰めたり出したりするのではなく、動きに無理のない、大きすぎず、窮屈にならない程度のゆとりやバランスなどを考慮して、サイズの補正線を引き直します。

この時、左右または前後に差のある場合などは、大きな修正が必要な時には、型紙にその部分を切り開いたり、畳んだりして「マニプレーション」を施し、身体にフィット、弱点をカバーして出来る限りまっすぐスマートにきれいに見えるように、その差寸を、左右別々に補正線を引き直します。

身体にフィットした、シルエットのきれいな、着心地のよい、バランスのとれたスーツになるように補正をします。

オンリーワン
お客様の『この一着』のご希望に添えるよう、大切な工程です。。

本縫い

1本縫い.jpg

パーツごとの補正線にキリビ付けを打ち直し、それに沿ってベテランの職人が300余りの工程のほとんどを、大まかな箇所はミシン縫いで、細かなところや纏めは手縫いとコテ(アイロン)操作で立体的なラインの型崩れしないスーツに仕上げていきます。

 

仮縫いは、アンバランスな身体に無理なくフィットして、バランスの良いスーツを着ていただくために行う、ハンドメイドテーラ(仕立て屋)ならではの真骨頂です。

長くいつまでも。着心地よく愛着していただけるよう日々努力をしております。

ハンドメイドのご注文の流れはこちらにも解説しています

 

 


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