フルオーダースーツ・ご注文から完成まで
スーツをオーダー(注文)してから、ベテランの職人が丁寧に縫い上げて行く工程を詳しく解説しています。
1.ご注文
電話・ファックス 075-721-0880 又はお問い合わせフォームでご注文ください。
その際、生地などの選択や採寸の日時と場所(来社いただくか、ご自宅・職場に伺います)のご希望を併せてお知られください。
※「4.仮縫い」の日時は採寸の日にご相談させていただきます。。
2-1.生地の選択
各シーズンに合わせたインポート商品の着分カット生地を100点余。
ほか内外一流ブランド(スキャーバル、グローレックス、ダンヒルなど)の生地見本より、素材・お好みの色柄・シチュエーション・ご予算に合わせてお選びください。
2-2.デザイン&オプション
素材生地にもよりますが、フォーマルからカジュアルまで、シングル・ダブル、襟型・ボタン・ポケット・ヨークなど思いのまま。
裏地の種類も豊富に取り揃えております。
あなたのご希望を存分に主張して下さい。
2-3.採寸
信頼関係を大切に、お客様とお話をしながら、お身体の観察、体型把握をします。
メジャーのほか、場合によってはゲージ用具を使い、身体を8等分(上下の前後、左右)して、それぞれのねじれやバランスを確認。
全身の20箇所以上を採寸します。
(京都、会社役員N様48才)
3-1 生地のプレス(縮絨)
1着のスーツを創り上げるには表地以外に20種類以上の様々な素材を使います。
ウール素材の表地、ポリエステルやサテンの裏地、芯地も毛芯、フェルト、バス毛芯、腰裏やポケット地の綿素材など、それぞれの伸縮率は異なりますので、前以て各々の素材に合わせたプレス(縮絨)をします。
プレス(縮絨)を施すことによって、品質の違った生地素材を組み合わせても型崩れを防ぐことが出来るのです。
3-2カッティング(裁断)
お客様のお身体に合わせた、ご希望のデザインの型紙(設計図)を制作いたします。
型くずれを防ぐための、生地をプレス(縮絨)をして、布目を整え、毛並みを確認、柄を合わせて、その上に型紙を置きトレースします。
そして、置いた型紙に沿ってチャコ(チョーク)で準え、その線の上を裁ちバサミを動かします。
お客様からお聞きしたライフスタイルや着用シーンなどを考慮して一着ずつ裁断いたします。
テーラーが最大限に神経を集中させる工程です。
この型紙はお客様のカルテとして永久保存いたします。
2着目からのご注文にはこのカルテをもとに裁断をします。
年齢を重ねられ、体型やサイズが変わられたときには、その都度この型紙をそっと修正いたしています。いつも同じ雰囲気でお召いただけるように・・・
4.仮縫い
仮縫いは
フルハンドメイドで「もっとも重要な工程です。」
裁断された生地を、仕付け糸でデザイン・シルエット・寸法が全く同じようなスーツに
「仮に仕上げます。」
お客様に試着していただき、デザイン・寸法・シルエットを確認。
最初は、左右対称に仕上げていますので、試着することにより各々の箇所に於いてしわ・たるみ前後左右のねじれ・傾斜の度合いなどをチェックして、ゆとりの分量などを加味し、出来るだけ正体に見えるようにピン打ちします。
このとき、デザインなどを最終確認いたします。
変更などをご希望される場合は、このときにお願いいたします。
体型変化の大きい方や車いす仕様のスーツなど、もう一度仮縫いをする「中仮縫い」をする事もあります。
※この時にデザイン・オプションなどの最終確認をします。
変更などをご希望の場合はこの時にお願いいたします。
※完成したスーツをお届けする日時は、この時にご相談させていただきます。
大学生N・S様22才
5.補正
仮縫いでチェックした箇所をパーツごとに解いて、ピン打ちでチェックした個所を確認します。
そして、その分量に合わせてより精密なマニプレーション(manipulation:巧みな扱い)で立体的になるようチャコで描いて行きます。
身体にフィットするようにします。
これこそがフルハンデメイドの真骨頂です
オンリーワン
お客様の『この一着』のご希望に添えるよう、大切な工程です。
6.本縫い(ハンドメイドによる縫製)
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表地と裏地との間には、何年着ても身体に沿うように着易く、着くずれを防ぐために様々な副資材が使われています。 毛芯だけでも、台芯、バス芯、フェルト、アルパカ、スレキなど・・・ 上衿、袋布、行綿などやく600個の部品を組み合わせて1着のスーツを創っています。 |
当社の熟練の職人が、一着324工程のほとんどを、一針一針手縫いで縫製しております。
「フルオーダーで最も重要な芯作り」
毛芯
獣毛(羊の雑毛など)で出来た台芯に、バス芯と言って馬の毛を使った張りのある芯と胸の部分に弾力を持たすためにフェルト芯を、八刺しで縫い合わせたものを相して毛芯と言います。
ラペル部分には張りのあるウール綿混紡の裏地にも使用できるアルパカを使い、より細かい八刺しをすることによって美しいロール状の膨らみ、立体的なボリューム感溢れた返衿が出来ます。
耐久性に優れ、いつまでも型崩れしないスーツの原点です。
芯据え
毛芯と前身頃を1枚の布のように合わせて止めます。
その良し悪しが出来上がりを左右します。
手まつり
肩や裾、袖、アームホールなどを表地と裏地がなじむように、手作業でまつり付けます。
ミシン縫製と違い、糸の締め付けの強弱で弾力を付けて着やすい服を創ります。
釦付け
釦付け専用の麻のてれ糸を縫い針で一番太い4番の針に通し、テレ糸を2本にして釦付けをします。この時、生地と釦との間を2回以上往復し、最後に根巻きを数回も行い仮締します。
そして最後にその糸を根巻きの間を通す「芯通り」を互い違いの方向に2回通し締め付けてボタンが解けないようにします。
2013年6月26日のNHK「ためして合点」の放送で実証されました。
※私どもでは、事故か何かで釦が割れない限り、糸からボタンが外れないと自信をもっておりますので、スペア釦は差し上げていません。
ボタン穴かがり
素材に合わせて手加減し、手縫いでしかできない柔らかく、違和感なく、切れにくいボタン穴を仕上げます。
※イージーオーダーなどの機械穴はきれいですが、解けやすいことがあります。
縫製は目に見えない隠れた部分、すべての工程で細心の配慮をした丁寧な仕立てで型くずれを防ぎます。
コテ操作(アイロン使い)
縫製現場ではいろいろなアイロンを使います。
平均的には5㍀~7㍀(2・3~3・2キロ)時は10㍀(4・5キロ)の大きなアイロンで平らな生地を身体の部分に合わせて、伸ばしたり、いせ込んだりして身体に添った立体的な服に仕上げて行くのです。
職人の腕の見せ所です。
さまざまの工程を経て、オプションを確認、最後のプレスをして仕上がりです。
1着のスーツを仕上げるのに要する時間は、本縫いだけでも60時間~80時間、延べ10日間~2週間ほど掛けて丁寧に縫い上げています。
7.完成・お届け
あなただけのオリジナルなオンリーワンスーツが、ご注文をいただいてから約1ヶ月~2ヵ月で出来上がります。
仮縫い日は受注日に、納品日は仮縫い日に各々ご予約させていただきます。
(お急ぎの場合はご相談ください。)
大阪、不動産業役員M・Y様65才
9.アフターフォロー
納品後のアフターフォローは3年間無料です。(但し、体型の変化によるサイズ調整や破れ、かけつぎ・しみぬきは実費をお願いいます)
私どものスーツは、体重が5キロ程度増減された場合でも、調整できるように縫製しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
ハンドメイドのスーツは、そのフィット感・着心地・着やすさを、永年に亘って満足していただける事と信じております。
その服が存在する限り、お付き合いさせていただだいております。
※下取りも承っております。
ご不要のお洋服を、新しくご注文いただきましたお洋服代の5%で引き取らさせていただきます。
(例)フルオーダースーツの本体価格が¥150,000の場合、下取り価格が¥7,500となりますので、お支払い金額は¥142,500(本体価格)になります。
年代物のスーツも大歓迎です! 大事に資料として保存します。
他店のオーダーや既製品は解いて芯作り・デザイン・シルエット・オプションなどを研究した上で、「エコネットワーク」製品回収システムにより、リサイクル、産業資材、衣料などに再利用されます。
オーダースーツのいい話し コラム集
こだわりのスーツ創り コラム集
私どもが参加している「京都新聞運営のマイベストプロ京都」に掲載中の私どものコラム集です。
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