フルオーダーとイージーオーダー、パターンオーダーの違い

一口にオーダーメイドと言ってもいろいろあります。


選んだ生地からスーツやジャケットに仕立てる(縫製)ことをオーダーメイドと言います。
従って同じ生地を選んでも、仕立て(縫製工程)の違いによって種類がいろいろあります。

 

オーダーメイドとひと言で言っても、ハンドメイドオーダー、ビスポークオーダー、カスタムオーダー、パストーレオーダー、コンピュータオーダー、サイズオーダー、セミオーダー・・・など様々な言い方をしています。

 

では、それぞれが「どのように違うのか?」
私なりに言えば、大きくは「フルオーダー」 「イージーオーダー」 「パターンオーダー」の3つに分けられます。

手間、コスト的にはパターンオーダー > イージーオーダー > フルオーダーの順に上がります。
価格的にも高くなっていきます。
 

しかし、一部ブランドのパターンオーダーではかなりの高額(20万円以上)で販売されているものもあります。

 

【概略】

1、 パターンオーダー(セミオーダー、サイズオーダー)
各メーカー、ブランド独自のアイデンティーを守ることが大切で、「拘り、スタイル、仕様規格」を優先します。

既製品のスーツの中から、自分の体に近いサイズを着て、着丈や袖丈などの限られた部分(店によっては少しのデザインやボタン)を許容範囲内で変更して仕立てます。

一般的にはタテ寸法の指定は可能。ヨコ寸法、体型補整の指定はしない。

低価格が売りです。

 

2、 イージーオーダー(マシンメイド、パストーレオーダー、コンピューターオーダー)
生地選びのあと、縫製工場独自の限られた仕様(マスターパターン)の中から、お客様の体型、寸法数値から一番近いパターンをセレクト、ゲージ服を着せて調整寸法を確認します。

シルエット、デザイン、オプションを決めて縫製工場に送ります。
ほとんどをマシンメイドで仕立てます。
オプションによっては追加料金が発生する場合があります。

仕立てもランクによって、工賃(縫製料)もそれなりの差があります。
どの工場の、どんなランクの仕立てにするかは、各洋服店によって異なります。

一応「着用するのに問題の無いスーツ」

低価格が売りのところは、ほとんどが発展途上国の縫製工場です。
 

最近 「あなたの体に合わせます。採寸します。 オーダーメイドです」と 

言っているのがこのイージーオーダーです。

 

3、 フルオーダー  (ハンドメイド)

(本来のオーダーメイド、ハンドメイドオーダー、ビスポークオーダー)
最も本格的な注文仕立てです。

究極のオリジナルなスーツです。
 

テーラー (Tailor:男子服の仕立て屋)が 採寸します。

お客様とのコミュニケーションを大切、お好みをお聞きして、お客様の細かいくせを調整、身体に合ったシルエットやデザインを決めて行きます。

基本的には一人の職人「匠」がその1着を縫い上げます。
 

フルオーダーの大きな特徴は 「仮縫い」 をすることです。
仮縫いをすることによって、コンセンサスがとれ、身体の上下、前後、左右、屈伸の差などの体型把握の確認出来ます。

それをできるだけ自然にスマートにまっすぐに見えるように補正をします。

このとき、お客様のライフスタイルや着用シーンなどをお聞きして、それに合わせたゆとりを付け縫製をします。

 

例えば、ダンスを踊るときに、後ろからきれいに見えるように・・・

車椅子を使用している方には、座った状態で無駄なシワやツッパリを出来るだけ少なく、障がいの程度によっては着脱を容易にできるように創ります。

だから、身体に馴染んだ着心地良い服が出来るのです。

 

私どもでは、採寸の時に、お身体を特徴を把握しつつ、製図に於いてはマニプレーション施す箇所や量を考え、裁断に生かしております。

ですから、仮縫い服の状態では、すでにある程度の体に馴染んだものが仕上がっています。

そして、仮縫いすることによって、細部に亘って、体型を把握、再確認をします。

仮縫いで、ピン打ちや解いて確認した部分をパーツごとに分解して、その量を型紙と生地に補正をして、いよいよ本縫いの縫製職人の手に渡るのです。

この時、職人にはお客様の体型を詳しく伝え、ダーツ量、いせ込み、追込みのコテ操作(アイロン)の手加減も指示します。

私どもでは、採寸から仕上がりまで、お客様のお身体の情報を常に共有するように心掛けておリます。

ちなみに、最近ではパターンオーダーやイージーオーダーの一部でオプションとして仮縫いを行うところもあるようです。(別料金)
しかし、あくまで縫製工場のテイストに沿ったもので、自ずからやり方や補正出来る個所には制限があります。

従って、採寸者が製図をどこまで理解しているのか?

縫製工場が、採寸者の思いをどこまで生かせているのかが、疑問に思うところです。

 

 

【型紙】

型紙1.jpgパターンオーダー
既製品と同じ型を使用しますので、体型補正などは行わないため新たに型紙は作りません。

 

イージーオーダー
縫製工場のコンピューターで作ったベースの型紙をもとに、体型補正やデザイン補正などを施した型紙を作ります。

「お客様の希望に沿ったスーツを創ります」と言っても、それはあくまで縫製工場のマニュアルの範囲内での調整です。

 

フルオーダー
お客様ユーザーのための型紙を、お客様の体型、お客様のご希望のデザインに合わせて手書きで作ります。

 

人の体は左右対称ではありません。

従って、各々のパーツごとに左右、前後、上下を違えて型紙を作ることも、多々あります。
その差は、3ミリ(8分の1インチ)単位に、最大4センチ(1吋4分の1)

そのためにも、年々変わるトレンドに敏感でなくてはなりません。
 リピーターにはその都度、型紙補正をします。

 

 

裁断

フルオーダー

手書きの型紙を生地の上に置いて、チャコ(チョーク)で準え、ハサミで裁断します。
左右の違いや屈伸の差などをマニプレーション(manipulation:巧みな扱い)をすることによってその体型にフィットした服が出来ます。

 

イージーオーダー&パターンオーダー
多くはコンピューターで作った型紙を元にコンピューター制御の裁断マシンで自動的にカットされます。
コスト面ではかなり抑えられますが、応用範囲は少ないです。

 

【芯地】
芯地には毛芯と接着芯の2種類があります。

八刺し.jpg毛芯
獣毛(羊の雑毛など)で出来た台芯に、バス芯と言って馬の毛を使った張りのある芯と胸の部分に弾力を持たすためにフェルト芯を、八刺しで縫い合わせたものを相して毛芯と言います。

ラペル部分には張りのあるウール綿混紡の裏地にも使用できるアルパカを使い、より細かい八刺しをすることによって美しいロール状の膨らみ、立体的なボリューム感溢れた返衿が出来ます。
耐久性に優れいつまでも型崩れしないスーツの原点です。


接着芯
不織布などに特殊な接着剤がついており、熱加工で簡単に表地と芯地が固定できるため、軽くて柔らかいスーツが出来ます。
低コストで作業も簡単ですので、既製品だけでなくパターンオーダーやイージーオーダーでもよく使われています。

接着芯は接着効果に限界があるようで、部分的に剥がれる場合があり、いったん剥がれると元に戻らないため、数度のクリーニングなどで張りやこしが失われ、よれよれになったスーツを見かけることが多々あります。

 

【生地】

各々の販売価格は基本的には使用する生地の質によって設定されています。

ヨーロッパのpcブランドの生地をしているパターンオーダーなどは20万円を超えるものもありますが、一般的なパターンオーダーではブランドのテイストに合わせて、それなりの品質の生地になるのは当然の成り行きでしょう。

イージーオーダーもしかり、顧客のニーズに合わせて、それなりの品質の生地を使用します。

生地代だけで10万や20万円の生地でイージーオーダーの仕立ではないだろうと思います。


フルオーダーの場合は、仕立てにコストと手間がかかる分、それに見合う良質の生地を使用します。
平均的なテーラーでの販売価格は20万円~

ビキューナ.jpg


 
イタリアのロロピアナ社のビキューナー100%のコートは
アンデスに生息する羊の1種でワシントン条約で生産の制限があり、1着のコートを作るのに30頭の剥毛(綿毛)が必要と言われています。

 

【ハンドメイドの良さ】

正直、ハンガーやマネキンボディにかけた状態では、マシンメイドの方がかっこよく、きれいに見えることがあります。

 

ハンドメイドではマネキン人形でなく、

「お客様ご本人が着用するシーンで最も美しく見えるように、楽に動けるように創るからです。

肩パットひとつとっても、左右の厚みを変えるだけでなく、肩の捻じれに合わせて肩の前より又は̠後ろよりに付けることもあります。
 

フロントの前裾が外側に跳ねないように、内側に廻り込むように丸みを付けています。
猫背の人の背中の裾が跳ねないように、猫背部分にゆとり多くつけています。

着用シーンできれいに美しく、そして着心地よい服創りをしているのがフルオーダー(ハンドメイド)です)。

弊社ではハンドメイドにこだわり、お客様のわがままに出来るだけお応えできるような服創りをしています。
 

私どもでは家族経営で店舗を構えてません(倉庫兼仕事場)から、店舗維持経費が低く抑えられ、職人も若いころより弊社だけの服を縫ってくれています。

生地も、永年に亘って取引のある問屋商社との信頼関係において、良質の商品を安価で仕入れていますので、リーズナブルなプライスでご提供させていただいております。

スーツ 仮縫付お仕立上り \145,000(本体価格)~

ビンテージクロス  

また、私どもでは永年の間に仕入れで在庫になった、ビンテージ商品をお仕立て代のみでご提供されて頂いていますので、精々ご利用ください。

 

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