ドライクリーニングでは埃汚れは落とせない!

ドライクリーニングで使われる石油溶剤は、皮脂や口紅などの油性の物は落とすのには優れてますが、泥汚れやほこりなどにはあまり効果はありません。

洗濯の神髄 服の命守る

「愛着の一着  新品の着心地」

2019年(令和元年)5月26日(日曜日)日本経済新聞朝刊に掲載されていた記事からです。

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記事には、東京都練馬区のテーラー「松田茂伸氏」が洗濯技術の向上を目指す全国のクリーニング店主から「神様」と仰がれておられることが紹介されていました。


「洋服のことを知ってほしい」という思いから、高級衣料のメンテナンスを志すクリーニング店の集まり「松田塾」で

表から見てわからない洋服の芯地、裏地の構造や素材の違いによる洗う水の温度、洗剤の種類に依っての生地のダメージなどなどを教えてこられました。

多くのクリーニング店は、汚れを落とすことを重点に、ドライクリーニングや水性クリーニングなどを行いますが、洋服の生地にダメージが落ちることにはほぼ関心が薄い様に感じています。
常々、私どもでも同じ考えを持っていましたので、畏敬の念を以って拝読いたしました。

ドライと水性(ウェット)と松田流クリーニング

 

ビスポーク・メディカル・メンテナンス「松田塾」とは?
黄綬褒章、「全日本注文紳士服技術コンクール」通産大臣賞、「全日本一般技能士グランプリ」内閣総理大臣賞を受賞されたテーラー松田の松田茂伸氏が主宰する洋服のメンテナンス技能技術アイロン技術(洋服命)を学ぶ会です。
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ドライクリーニングできることを示す絵表示(通常の処理

ドライ.png石油系ドライクリーニングのみできることを示す絵表示(通常の処理)

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ドライクリーニングできないことを示す絵表示

120px-Professionelle_reinigung_(P)s_svg.pngドライクリーニング出来ることを示す絵表示(弱い処理)

 

120px-Professionelle_reinigung_(F)s_svg.png石油系ドライクリーニングのみできることを示す絵表示(弱い処理)

洋服をクリーニングドラムの中でぐるぐる回して洗うと、せっかくきれいに立体的に仕立ててある洋服は、くちゃくちゃになるのは必然的なことです。
仕上げのプレスを丁寧にしたからと言って、ガサガサになったウールの風合いは戻ってきません。
ドライクリーニングで使われる石油溶剤は、皮脂や口紅などの油性の物は落とすのには優れてますが、泥汚れやほこりなどにはあまり効果はありません。

水性クリーニングは汗やタンパク質、埃などの汚れを落としてくれますが、いろいろな素材の組み合わせで創られている洋服は水洗いすることによって急激に縮みむことには否めません。

アイロン.jpg馬.jpg 私どもでは「松田流」の手作業による、スーツの洗濯を試みました。
まず、芯などの構造物が乱れないように仕付けを打ち、表面の穂刈をササラで叩いて落し、洗剤の入ったバケツの中へゆっくりと繰り返し押し洗いをして汚れを落とします。洗濯が終わるとハンガーに形を整え乾燥させます。それも完全に乾燥させるのでなく半渇き程度で、重いアイロンを使い、馬と呼ばれるアイロン台の上で立体的に丁寧に仕上げを行います。
汚れも落ち、ウール本来の風合いのあるスーツに仕上がっていました。

 

しかし、実感として結構時間と手間のかかる洗濯でした。
アイロン掛け一つにしても、ウールや麻は高温で、裏地などのポリアステルは中低温と使い分けしなければなりません。

街のクリーニング店がこのような手の込んだ洗濯をしているのか、疑問に思うことが有ります。

ウールのスーツはクリーニングをお勧めしておりません。

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ブラッシングと陰干し

ウールその物にも油分がありますので、それをドライクリーニングの石油溶剤で洗うことにより、ウールの油分(艶)を無くし、スケールの鱗も破壊することによる、ウール本来の風合いも損ない兼ねます。

アイロン掛け一つにしても、ウールや麻は高温で、裏地などのポリアエテルは中低温と使い分けしなければなりません。

お気に入りのオーダースーツの風合いを崩しかねないクリーニングはお勧めしておりません

表面に付いた、埃汚れなどは、ブラシなどで叩くか払う程度できれいに落ちます。

外出から帰られた時に、ブラッシングを欠かさず行うことによって、いつまでも艶よく、風合いのあるウールのスーツを着ていただけます

身体に添って創られているフルオーダースーツは型崩いたしません。

 

 


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